建物の査定方法のひとつ原価法…

2022/01/11

建物の査定方法のひとつ原価法とは?中古一戸建てが高く売れる時期はいつ?

建物の査定方法のひとつ原価法とは?中古一戸建てが高く売れる時期はいつ?

建物の査定方法のひとつ原価法とは?中古一戸建てが高く売れる時期はいつ?

 

建物を売るときはどのくらいの価値があるのかを知るため、査定を依頼するのが一般的です。

中古一戸建ての場合、査定方法にかかわらず高く売れることがありますが、どうしてなのでしょうか?

この記事では一戸建ての建物部分の査定方法である、原価法とはどのようなものなのか、高く売れるタイミングなどをお伝えします。

一戸建てを売却したい方はぜひ参考になさってください。

【建物部分の査定方法に用いられる原価法とは?】

まずは建物部分の査定方法である原価法とはどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。

原価法とは一戸建ての建物部分の査定に用いられる計算方法です。

建物を解体して、同じスペックの一戸建てを建てた場合、どのくらいの原価になるかを計算していきます。

算出された数字から、老朽化している部分を築年数に応じて価値をマイナスし、原価を推測していくのが特徴です。

「新築することを想定し、減価修正する」という風に理解しておくと良いでしょう。

ちなみに金融機関の担保評価も同じ方法で算出していきます。

●計算方法

原価法は次のような計算式を利用します。

再調達価格×延床面積×残存年数(耐用年数-築年数)÷耐用年数

再調達価格と耐用年数は、一戸建てがどのような構造で建てられているか、また建築年などによって異なります。

国土交通省が公表している「建物の標準的な建築価格表」を見ると、2020年(令和2年)における木造の場合の再調達価格は1㎡あたり171,500円です。

また耐用年数は事業用と非事業用にわけられ、居住用の一戸建ては木造で33年、軽量鉄骨造で40年、鉄筋コンクリート造で70年とされています。

再調達価格も国土交通省のホームページでチェックできるので、査定前にチェックしておくと良いでしょう。

●実際に査定価格を計算してみよう

1989年(平成元年)に建築された木造一戸建て(100㎡)を、上記の原価法で計算してみましょう。

建物の標準的な建築価格表を見ると、1989年(平成元年)における木造一戸建ての建築単価は、1㎡あたり123,100円です。

123,100円×100㎡×2年(33年-31年)÷33年=746,060円

この場合の建物の査定価格は、約75万円となります。

●原価法を用いる場合の注意点

原価法を用いた査定方法は、あくまでも標準価格での査定となるため信頼性に欠けるのがデメリットです。

一戸建てと一口にいっても、建売なのか注文住宅なのかで価値が変わり、ハウスメーカーによっても単価が異なるでしょう。

原価法で算出できる数字は、どのような住宅であっても一律となるので注意なさってください。

より細かく算出したい場合は、以下のような計算方法を利用します。

再調達価格×品等格差率×規模修正率×原価率×メンテナンス補正率×延床面積

品等格差率は建売の場合で0.85倍となり、大手のメーカーは1.1倍から1.3倍、地元の工務店なら0.95倍を当てはめます。

【建物の査定方法にかかわらず高く売れる一戸建てとは?】

中古一戸建てでも、建物の査定方法にかかわらず高く売れるケースがあります。

●性能評価制度

建物の査定方法にかかわらず、性能評価制度で耐震等級3や劣化対策等級3を取得している一戸建ては、原価法の査定額よりも高く売れる傾向にあります。

住宅性能評価とは2000年(平成12年)4月に施行された、住宅の評価制度です。

住宅の品質確保の促進等に関する法律、いわゆる品確法に基づいた「住宅性能表示制度」によって一戸建てが評価されます。

これまでは、工務店やハウスメーカーそれぞれの基準で評価されていましたが、一戸建てなどの住宅は品質や真価がわかりにくい資産です。

評価を統一することで、よりわかりやすく価値が把握できるようになりました。

そのため住宅性能評価を取得している一戸建ては、高評価を得られるため、高く売れる可能性が高いのです。

●耐震等級3とは?

住宅性能評価を取得済みの一戸建ての多くは、耐震等級3を取得しています。

耐震等級3とは耐震等級のもっとも高いレベルで、震度6から7レベルの地震で倒壊や崩壊しない強度を持っています。

1995年(平成7年)に起きた阪神淡路大震災では、亡くなった方の多くが建物の倒壊による窒息や圧迫で亡くなりました。

住宅性能評価を取得済みであればそのような不安が軽減され、安心して住むことができます。

熊本地震でもその強度が証明されたことから、住宅性能評価を取得済みの一戸建ては、高く売れる可能性が高いといえるでしょう。

●劣化等級も3を取得していることが多い

住宅性能評価を取得している一戸建ては、耐震等級3だけでなく劣化等級もおおむね最高等級の3を取得していることが多いです。

75年から90年ほど暮らせるので、親子3世代に渡って住み続けることができます。

住宅性能表示は10個の検査項目がありますが、耐震等級と劣化等級はその中でも資産価値に大きく影響する項目です。

そのため、売却する予定の住宅が耐震等級と劣化等級を持っているのか、あらかじめチェックしておくと良いでしょう。

住宅性能評価制度が導入されたことで欠陥住宅の割合も減少傾向にあり、近年は法定耐用年数だけで減価されない流れになりつつあります。

【建物の査定方法から考える売却時期はいつ?】

最後に建物の査定方法から考える、売却時期はいつなのかを見ていきましょう。

築10年以内なら高く売れる可能性が高い

先述でもご紹介したとおり、建物部分は原価法を用いて査定結果を出すのが一般的です。

そのため、売却のために大掛かりなリフォームが不要な、築10年以内がおすすめといえます。

また建物の価値は、築10年を区切りに価値が下がるのが一般的です。

中古一戸建ての中でも築10年程度であれば、まだまだ新しいほうですが、新築に比べると資産価値も大きく減少しているでしょう。

そのため築10年以内の中古一戸建てを、いつ売れば良いのか悩んでいる方は、なるべく早めに売却を検討することをおすすめします。

●築10年で売られる一戸建ては意外と多い

不動産のポータルサイトなどを見ると、築10年で売られる一戸建ては意外と多いことがわかります。

築10年は転勤やお子さまの成長など、ライフスタイルが大きく変化する節目である方が多いでしょう。

そのため、築10年で引っ越しや住み替えを検討する方が多いといわれています。

中古一戸建ての中には築20年や30年経過しているケースも多いので、不動産会社では新しくもなく古くもない、一般的な中古住宅として取り扱うことが一般的です。

●リノベーションやリフォームで資産価値を上げることも可能

中古一戸建ての場合、リノベーションやリフォームで資産価値を上げることも可能です。

最近は古い住宅をリノベーションやリフォームし、売却するケースが増えています。

付加価値を付けることで高く売れる可能性がアップし、早期の売却が見込めるかもしれません。

またあえて築年数の経過した住宅を好む方もいます。

安く購入し、リノベーションやリフォームで自分好みにカスタマイズする方も多いです。

築10年以内や築浅では満たせないニーズをもつ買主がいるので、万が一築10年以上経過してしまってもあきらめずに売却活動をおこなってください。

【まとめ】

この記事では一戸建てを売却したい方に向け、建物部分の査定方法である原価法とはどのようなものなのか、いつ売れば高く売れるのかなどをお伝えしました。

住宅性能評価を取得済みの一戸建ては、建物の査定方法にかかわらず高く売れるケースがあります。

また、いつ売れば良いのか適切なタイミングを見極めることで、売却時期がおのずと見えてくるでしょう。

今回お伝えした内容を参考にしていただき、満足度の高い売却をおこなってください。

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