不動産の相続における代償分割…

2024/02/03

不動産の相続における代償分割とは?メリット・デメリット

不動産の相続における代償分割とは?メリット・デメリット

不動産の相続における代償分割とは?メリット・デメリットや注意点を解説

 

家や土地を複数人で相続した場合、不動産は物理的に分けることが難しいためトラブルに発展することは少なくありません。

そこで、公平に分け合うことができる「代償分割」という方法をご紹介します。

代償分割の概要やメリット・デメリットを理解して、どのような状況に適しているかを知ることで、いざというときに選択できるようになるでしょう。

また、遺産分割協議書に記載する内容に注意が必要なので、ポイントをおさえておくことが大切です。

【不動産の相続で用いられる代償分割とは】

代償分割とは遺産分割の方法の一つです。

まずは、遺産分割の基本的な概要について解説します。

資産を遺して亡くなった場合、被相続人の財産は遺族である相続人によって分けられます。

遺産分割とは、遺産を相続人同士で分け合うことをいいます。

相続人同士が争うことなく公平に遺産分割をするために、民法によって誰がどのくらい相続するかを定めた「法定相続分」という相続割合を用いるのが一般的です。

ただし、相続人全員が合意することを条件に、法定相続分とは異なる割合で分け合うことも可能です。

しかし家や土地などの不動産は、割合どおりに物理的に分けることが困難です。

無理に土地を複数に分ける分筆などをおこなって「現物分割」をすると、活用が難しい形状になってしまうなど、不動産としての価値を下落させてしまう可能性があります。

不動産を複数人で相続する場合は、遺産分割協議によって相続人が納得する方法で分割することが大切です。

複数の相続人で不動産を合理的に分け合う方法が代償分割です。

代償分割とはどのような分割方法か、具体例を交えてご説明します。

代償分割とは、特定の相続人が法定相続分を超える財産を取得し、他の相続人に代償金を支払うことで多く受け取った分を清算する方法です。

代償金をいくら支払うかは法定相続分を用いて算出されます。

たとえば、2人の兄弟が親の遺産として1,000万円の価値がある不動産を得たとします。

法定相続分の2分の1ずつ相続する場合、代表して兄が不動産を取得し、兄が弟に500万円の代償金を支払う方法が代償分割です。

代償分割は、特定の人物が遺産を継承したい場合によく利用されます。

自宅で家業を営んでいる長男が自宅兼事務所となっている土地と建物を相続する際に、他の相続人と不動産を分割して相続すると権利関係と実情が合わず、複雑な状態になります。

特定の相続人が被相続人の事業を引き継ぐために、不動産や事業関連の財産をまとめて継承する場合、代償分割は好都合です。

また、被相続人の家に配偶者や子どもが一緒に住んでいる場合、代償分割で遺産を分け合うことで自宅を出なければならないという状況になることを防げます。

【不動産の相続で用いられる代償分割のメリット・デメリット】

続いて、代償分割のメリット・デメリットについて解説します。

遺産相続はトラブルになりやすいので、遺産の分割方法にどのようなメリット・デメリットがあるかを理解して進めることが大切です。

相続して所有者を登記すると、後から変更することが難しい場合があるので、相続した不動産の分割方法は慎重に判断しましょう。

●代償分割のメリット①同居家族は遺産となる住居に住み続けられる

遺産となる自宅に同居している家族がいる場合、同居家族が住居を相続してそのまま住み続けることが可能です。

代償分割は、不動産を単独で相続できるというメリットがあります。

小規模宅地等の特例が適用されると、自宅敷地の評価が80%減額され、相続税が節税できるという利点があります。

●代償分割のメリット②スムーズに家業を継承できる

相続人の1人が被相続人の家業を引き継ぐ場合は、代償分割を利用して事業に関わる財産を単独で相続すると、スムーズに事業を引き継ぐことができます。

また、農地を農業相続人が引き継ぐと、農地の納税猶予の適用を受けられ節税対策に繋がります。

●代償分割のメリット③公平に遺産分割できる

不動産を複数人で所有することは平等に感じるかもしれませんが、不動産の活用に制限が出るなど、共有者同士の関係性によってはトラブルに発展することが考えられます。

また将来、共有者が亡くなり、次世代に相続されると権利関係が複雑になることも予想できます。

そのため、特定の相続人が単独で不動産を相続し、他の相続人へ代償金を支払うことで平等に遺産を分割することができる代償分割は、のちのトラブルを防ぐことができる、公平かつ穏便な遺産分割の方法といえます。

このようなメリットがある一方で、デメリットもあります。次回はデメリットについてお話します。

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