不動産相続税はいくらかかる?…

2021/11/08

不動産相続税はいくらかかる?節税対策や注意点などを解説!②

不動産相続税はいくらかかる?節税対策や注意点などを解説!②

●不動産相続税の節税対策

2015年におこなわれた税制改正により、相続税の基礎控除額が変更になりました。

そのため、税制改正前は課税されなかった部分も、課税対象となります。

具体的な改正は以下のとおりです。

税制改正前:5,000万円+1,000万円×相続人数

税制改正後:3,000万円+600万円×相続人数

上記の計算式を元に、相続人が配偶者と子ども3人と仮定してシミュレーションをしてみましょう。

税制改正前は、「5,000万円+(1,000万円×4)」で、9,000万円となります。

一方、税制改正後は「3,000万円+(600万円×4人)」で5,400万円です。

税制改正前は、遺産総額のうち9,000万円まで課税されなくて済んだものが、税制改正後は5,400万円を超える遺産については課税されてしまうということになります。

この税制改正によって、以前に増して相続税の節税対策をおこなう方が増えました。

そもそも、基礎控除額が課税対象とならないというだけでも節税にはなりますが、ほかの節税対策はどのようなものがあるのかみていきましょう。

●小規模住宅地等の特例を利用する

小規模宅地の特例とは、被相続人と同居していた土地を相続した場合、330㎡まで80%減額するという特例です。

たとえば、評価額1億円の土地を配偶者が相続した場合、基礎控除の3,600万円を差し引いて、6,400万円に課税されます。

しかし、小規模宅地等の特例を使った場合、80%を減額して2,000万円が課税対象となりますが、基礎控除3,600万円を差し引くと、実質税金がゼロになるというわけです。

小規模住宅等の特例が使える条件は、住宅用として使っていた土地のほか、事業で使っていた土地や賃貸していた土地も含みます。

なお、事業で使っていた土地に適用されるのは400㎡まで80%減額となり、賃貸していた場合は200㎡まで50%減額することが可能です。

●配偶者の税額軽減特例を利用する

配偶者が相続する場合は1億6,000万円、また、それ以上の場合は法定相続分の金額まで非課税になります。

●生前贈与を利用する

生前に子どもなどに不動産を贈与しておくと、財産が減りますので相続税を減らすことが可能です。

未成年者控除を利用する

未成年のお子さまやお孫さまが相続する場合は、未成年者控除が適用されます。

未成年控除の額を算出する計算式は以下のとおりです。

未成年の法定相続人が満20歳になるまでの年数×10万円

なお、1年未満の数字は切り上げて1年となります。

たとえば、10歳のお孫さまが相続した場合以下のとおりになります。

(20歳-10歳)×10万円=10×10万円=100万円

●不動産相続税に関する注意点

最後に不動産を相続する際の注意点をご紹介します。

納税には期限がある

相続税の申告と納付をしたあと、納付した額について税務署が税務調査をおこなうことになります。

期限内に納付することはもちろんですが、申告漏れや不備があった際は、追微課税や延滞税が追加されますので注意しましょう。

●譲渡取得税について

相続した不動産を売却した際でも、譲渡所得税の課税対象になります。

また、不動産売却の譲渡取得税は、所有期間が5年を超えているかどうかで税率が変わるのが特徴です。

所有期間が5年以内の場合は短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得となります。

それぞれの税率は以下のとおりです。

短期譲渡所得の税率:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%

長期譲渡所得の税率:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%

しかし、相続した不動産を譲渡した場合に、「取得費加算の特例」を利用することが可能です。

相続税申告期限の翌日から3年以内に相続不動産を売却した場合、相続税の一定額を取得費に加算することができます。

この特例を利用しないと、課税額が大きくなってしまうのが注意点です。

●遺産分割協議のトラブル

法定相続人が複数いる場合、遺産分割でもめるケースは少なくはありません。

たとえば、土地や不動産の相続は分割することが難しく、売却して現金分割にする方法が良いという方もいれば、相続して住みたいと考える方もいます。

相続税の納税期間は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に納付する必要がありますが、遺産分割協議には期限が定められていません。

遺産分割協議で話がまとまらなく、納付期限が過ぎて特例などを受けることができなくなるのが注意点です。

遺産分割協議が長引きそうな場合は、調停で話し合いをするか、裁判所で判断してもらう方法がもっとも解決が早いでしょう。

また、土地を分割して相続する際に注意点があります。

土地の価格は変動するため、値上がりした際に後々トラブルが発生する可能性があります。

将来の価格変動を視野に入れて遺産分割協議をおこなってください。

そして、相続税評価額が高ければ高いほど相続税は高額になりますので、住む予定のない不動産は早めの売却をおすすめします。

●まとめ

今回は、不動産相続の計算方法や節税対策、注意点などをご紹介しました。

不動産を相続する際、さまざまな節税対策がありますが、期限や注意点を守らないと対象外となってしまいます。

不動産相続の予定がある方は、かしこく節税対策をしましょう。

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